腰椎分離症・分離すべり症
腰椎分離症・分離すべり症とは
腰椎分離症は、分離という名のとおり、腰椎自体に亀裂が入り部分的に分かれてしまう疲労骨折の一種です。
腰椎が完全に分離すると構造的に弱くなり、腰椎が前方(腹側)に押し出されると分離すべり症となります。
主に10代前半の、身体の軟らかいスポーツ青少年に多く発症します。
女子より男子が圧倒的に多く、年齢では14歳が最多というデータがあります。
野球、バレーボール、サッカー、バスケットボール、水泳など、上体を反ったり捻じったりする動作の多い競技に多発します。
症状
腰痛が主な症状です。
痛みは主に腰椎と骨盤の境くらい、ちょうどベルトの位置くらいの感じることが多いです。
初期の軽いうちは練習時に上体を反ったり捻じったりで痛みを感じる程度ですが、だんだん酷くなると日常の座っているときや屈むときにも痛むようになります。
太腿やふくらはぎまで痛みが広がったり、痺れを感じたりといった症状を訴えることもあります。
原因
上体を反る・捻じる動作の繰り返しによって、腰椎に過剰な機械的ストレスがかかり続けて損傷します。
練習のしすぎ=オーバーユースや、太腿裏の筋肉(ハムストリング)の柔軟性低下などが原因とされています。
腰椎分離症・すべり症の治療
ここでは、整形外科で行われる治療について述べていきます。
腰椎分離症・分離すべり症は、よっぽど酷いと手術になりますが、殆どは保存療法といって手術せずにリハビリで治してく治療が主流です。
分離症は腰椎にヒビが入り、進行すると完全に骨折して部分的に分離していくため、骨折しているかしていないかで治療方針が変わります。
おおむね14歳までに腰椎にヒビもしくは骨折が判明すると、腰にコルセットを巻いて骨がくっつくまで運動を禁止することになります。
骨がくっついて完治するまで約6ヶ月、その間検査で状態を観察しながら、リハビリ運動やストレッチで腰に負担がかからない体づくりをします。
おおむね15歳以上になると、14歳までと違っていちど折れた腰椎はくっつかなくなります。
そのため、まず腰の痛みを軽減する神経ブロック注射や、シップ、内服薬など対症療法から始めます。
痛みが治まってきたら、リハビリ運動やストレッチを行い、段階的に運動強度を増やしていきます。
これは14歳以下の腰椎に骨折がみられないケースも同様の治療になります。
予防と対策
スポーツ整形外科や一般的な整骨院で指導される分離症の予防対策は、ストレッチと体幹トレーニングです。
ストレッチは太腿裏のハムストリングに対して行います。
体幹トレーニング
まとめ
- 腰椎分離症・分離すべり症は腰の骨の疲労骨折の一種
- おおむね14歳以下は完治までコルセットによる固定と安静治療で約6ヶ月
- おおむね15歳以上は骨癒合が見込めないので疼痛軽減の対症療法
- 予防対策には体幹トレーニングとハムストリングのストレッチ
腰椎分離症は整形外科のMRIやレントゲン検査でしか明確な診断はできません。
14歳以下のスポーツ少年が腰痛を訴えたら、早めに検査してもらいましょう。
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