繰り返すハムストリング肉離れの原因は?陸上部Sさんの症例  

西明石・神戸市西区の身体の痛み改善専門 はりま接骨院です。

今回は、中学校の陸上部で長距離とリレーの選手をしてるSさんの左ハムストリング肉離れの施術経過を紹介します。

ハムストリング肉離れ治療を受けた陸上選手の声

Sさんが左脚ハムストリング肉離れになったのは来院三日前の競技会で、その前から反対の右ハムストリングのほうだけ痛みがあり、テーピングをして出場しました。
走り終えた直後に今度は左ハムストリングに痛みが走り、その時は歩くのも不自由なほど痛かったということです。

翌日に右ハムストリングの治療をしてもらっていた整骨院に行きましたが、痛みは軽くならないし、従来どおりのマッサージとストレッチをするよう言われただけでした。
右が治らないうちに左もなったことで何か違うことをしないとダメだと思い、どうしようか悩んでいると、以前当院でケガを治した先輩に紹介されてご来院されました。

 

Sさんに既往歴を訊けば、今までけっこうな故障を繰り返しています。
二年前の右ランナー膝を始め、左シンスプリント、右ハムストリング肉離れ、左アキレス腱炎など、ひとつ現れては症状がマシになり、を繰り返して今に至っているということです。

今現在の痛みの出る場所は、左の太腿裏のちょうど真ん中です。右ハムストリングの痛みについては、今は左の痛みのほうが強くて走ってないからあまりわからないとのこと。

走る動作のどの瞬間に痛みを感じるか訊くと、左脚に体重がかかったときだけ痛いそうです。
体重がかかった時ではなく、後ろに蹴りだした足を前に送るときに痛むケースも多く、そのときはSさんとは損傷の様式が異なるので注意が必要になります。
あとは前屈してストレッチすると、走って痛い場所が引き攣るように痛いということでした。

さらに損傷個所を明確にするために、片脚でケンケンしてもらいます。
爪先で左脚ケンケンするのと、足裏全体で左脚ケンケンするのとどちらが痛みが強いか試してもらうと、足裏全体のほうのが痛みが強いそうです。
これも痛みの感覚は「引き攣るような痛み」ということです。

「ハムストリング肉離れ」と言っても、痛みの出る動作や痛みの感覚で損傷様式が全く異なります。
Sさんは下図の「ライン状」の損傷様式です。

損傷様式が判明したので、次に肉離れになってしまった要因を調べます。

ほとんどのハムストリング肉離れは、ぶっちゃけ、練習休んで安静にしてれば痛みは退いていきます。
しかし、練習を再開したらまた痛くなる、再発する、違和感が残るというのがあれば、必ず身体のどこかに肉離れを起こす要因があります。それを解決しないと、いつまでたっても最高のパフォーマンスを発揮できません。

Sさんにベッドにうつ伏せになってもらい、左右の脚を膝を伸ばしたまま天井に向かって上げてもらいます。
走る動作でいえば、脚を後ろに送って身体を前に進める脚の動きです。

※画像はモデルです

Sさんは左脚のほうが右より上がらなくなっていました。
自覚はなかったようで、やってみて自分でも初めて知ったと驚いていました。

このような場合、スポーツトレーナーや理学療法的な診方では左の筋力が右より弱い、だから左を筋トレしましょう、となりますが、柔道整復的にはまず関節の動きに着目して診ていきます。
上げにくいとか上げる力が弱いとかなら筋力の問題かもしれませんが、上げる高さが左右で違うのは関節の可動性の問題であることが殆どです。

結果、腰の骨(腰椎)の一つに可動性の低下がありました。

Sさんのハムストリング肉離れの根本的な原因は、腰椎の可動性低下により左右の歩幅に微妙な差が生じてしまい、筋肉の収縮タイミングがうまく連携できなかったことで損傷したと思われます。

原因を取り除けば、あとは損傷筋の自己回復を促してやれば完治に向かいます。
しかしSさんは3日後に大会に出場しないといけないので、手技による矯正整復を施術しました。

 

施術は、

・矯正→前屈とケンケンをしてもらって痛みのチェック

を繰り返すこと4回で痛みゼロまでもっていけました。

 

大会前日の金曜日に来院してもらい、調子を訊くと

全力で走っても全く痛くありません!

と素敵な笑顔で回答をもらいましたが、

逆に右のハムのツッパリ感が気になります

ということでしたので、右ハムのツッパリを取り除き、再発しないように腰椎の可動性も改善して施術を終えました。

 

ハムストリングの肉離れは陸上競技選手に多いケガです。

痛みだけなら日にち薬で退いていくことも多いので、治療にかからない人も多いのですが、全力走での違和感やストレッチしたときの引き攣り感が残っていると再発の危険があります。

それに脚を着いた時に痛むのか、爪先で地面を蹴って身体を前に進めるときに痛むのか、後ろに送った脚を前に出す踵をお尻に近づけるときに痛いのか、それぞれに損傷様式が異なります。的確に見極め、効果的な施術をすれば、まともに走れない状態を全力走可能まで改善することも可能です。

あなたもハムストリングの肉離れでお悩みではありませんか?

当院なら解決できる自信があります。ぜひいちどご相談ください。