テニス肘のテーピング方法とストレッチ・それでも治らないテニス肘の理由

テニス肘専門治療

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、テニスをする人だけでなくテニスを一切しないふつうの人も受傷する肘の外側が痛むケガです。

この痛みを軽減し、パフォーマンスを維持するためにテーピングとストレッチが有効です。

この記事では、効果的なテニス肘のテーピング方法とストレッチを解説します。

テニス肘のテーピング

テーピングには、伸縮性のあるものとないものがあります。

テニス肘には、動きをサポートする【伸縮性のあるテープ】を使用しましょう。

代表的なものは『キネシオテープ』ですが、同様の伸縮テープなら問題ありません。

テーピングの目的

1. 筋肉のサポートと疲労軽減

  • 筋肉の動きを補助し、負担を軽減

  • 長時間の運動でも疲労を抑えられる

2. 血流・リンパの流れを促進

  • テープが皮膚を軽く持ち上げることで血行を促し、老廃物の排出を助ける

  • 炎症や腫れを抑える効果が期待できる

3. 痛みの軽減

  • テープの刺激が神経に作用し、痛みを和らげる

  • 「テーピングによる圧力」で痛みを軽減しつつ、動きを確保

4. 関節の安定化と可動域の調整

  • 過度な動きを抑えて関節を守る

  • 必要な範囲での可動域を確保しながら、正しい動きをサポート

 

 テーピングをするときの注意点

  • 正しい貼り方:適切な張力で貼る(引っ張りすぎはNG)

  • 皮膚トラブルの予防:かゆみが出て酷くなるようなら中止しましょう

  • 長時間の使用を避ける:練習前に貼って練習後に剥がすのがベスト

 

テニス肘のストレッチ

テニス肘は肘関節じたいに問題はなく、肘から先の前腕の筋肉の柔軟性低下が原因です。
前腕筋のストレッチで柔軟性を回復してやることで痛みを軽減できます。

ストレッチをするときの注意点

  • 適度な強度:痛いくらいストレッチをかけるのはNGです。痛きもちいいくらいにしましょう。
  • 適度な時間:一回15秒~30秒くらいにしましょう。長い時間のストレッチは逆効果です。

ストレッチをしているけど効かない・痛みが軽減しないから四六時中ストレッチをしていたり、痛いくらいストレッチをかけたりするのは、オーバーストレッチといって逆に筋肉の柔軟性を低下させてしまうNG行為です。

 

テーピングやストレッチで治らないテニス肘の原因

テーピングやストレッチで良くなるテニス肘もあれば、良くならないテニス肘もあります。
同じように、整形外科の注射で良くなる・整骨院の施術で良くなるテニス肘と良くならないテニス肘もあります。

その原因は二つあります。

① 筋膜癒着

② 関節機能異常

テニス肘の筋膜癒着とは?

筋膜とは、簡単に言えば筋肉を包む膜のことで、ストッキングのように全体に伸びたり縮んだりします。
テニス肘で痛む上腕骨外顆には、複数の筋肉が付着しているので、それぞれの筋肉を包む筋膜が集中しています。テニス肘が重症化すると、それら筋膜同士がくっついてしまって、それぞれの筋肉の収縮運動を妨げて痛みを発するようになります。

くっついた筋膜はストレッチやマッサージのような刺激の弱い施術で剥がすことはできません。刺激の強い鍼灸治療や強指圧など、技術の高い特殊な施術法が必要です。

テニス肘の原因になる関節機能異常とは?

テニス肘は、前腕伸筋群の柔軟性低下が原因で発症します。
前腕伸筋群は、肘から手首を越えて指までくっついていて、手首を反ったり固定したり、指を伸ばしたりする働きをします。
手首の関節に何らかの異常があると、伸筋群は思うように力を発揮できなくなるので、疲労が溜まり硬くなっていきます。

マッサージやストレッチは筋肉にだけしか作用しないので、関節に異常があると症状が改善しない・すぐぶり返すということになります。

ストレッチやテーピングで治らないときは

テニス肘がセルフのストレッチやテーピングで良くならないときは、関節と筋肉の連動に対して深い知識をもち、関節機能異常と筋膜癒着を改善できる技術をもった専門家にかかりましょう。