筋膜とは?歪みとは?

筋膜とは?

最近はすっかり筋膜という言葉も世間に広がり、NHKの「ためしてガッテン」などのテレビメディアや、
健康・ヘルスケア関係の雑誌で取り上げられるようになりました。

 

“筋膜リリース”とか”筋膜ストレッチ”とか”筋膜はがし”とか。

 

“筋膜”という言葉がこれだけ知られるようになったのは、お医者さんがテレビや雑誌で言うようになったからなんじゃないかな?と勝手に思ってます。

 

というのは、日本ではお医者さんを除いた私たち整骨院や鍼灸、整体などの民間療法の治療師のあいだでは、筋膜は結構メジャーで知られた存在だったんですが、大手メディアで発言するにはやっぱり権威がないといけません。

 

治療師よりどこかの医大の偉いお医者さんに「筋膜は・・・・」と喋らせないと、視聴者は納得しませんからね。

 

まぁそれはともかく、筋膜って筋肉とどう違うの?どんな形でどんな働きをするの?という疑問にお答えしていきましょう!

 

医学で無視されていた筋膜

実は医学の基本になる解剖学に筋膜は載っていませんでした。

 

整形外科学も基本はあくまで”骨”と”筋肉”で考えられていて、オマケに靭帯や軟骨があるくらいです。
筋膜どうこうなんて一言も書かれていませんでした。

 

腰痛の痛みや肩こりのコリは筋肉の何らかの異常が原因である、ということは昔からわかっていたんですが、
整形外科のレントゲン検査では異常は見つからないし、MRIでもよくわからない。

 

で、いろいろ研究を進めていくうちに、民間療法の治療師たちは早くから筋膜に着目した治療法で効果をだしていると知り、
一緒にやっていきましょうみたいな感じで今に至っています。

 

シドニーで看護師をしているという患者さんから聞いた話では、欧米では筋膜について看護師も勉強して知っているということでした。

欧米では日本と違って近代医学以外の民間療法にも権威と社会的地位があるから、医学と異なる理論や概念に先入観なく触れることができるからかもしれませんね。

 

筋膜は身体のどこにある?

まず、筋肉は筋繊維という細いゴム紐のようなものが束になったものです。

 

この繊維が解れてバラバラにならないように包んでいるのが筋膜で、さらに筋膜で包んだ繊維の束を集めて包んでるのも筋膜です。

筋肉の構造

筋膜は筋繊維を包み、さらに包んだ繊維を包むこう書くと、「筋肉を包んでいるのが筋膜」と思うかもしれませんが、内臓の表面や骨の表面、関節も靭帯も筋膜に包まれています。

 

そして一番重要なことは、「筋肉を包む筋膜はここからここまでで、靭帯を包む筋膜はここまでで・・・」って分かれているのではなく、筋膜は全部繋がって身体のあらゆるところに広がっているということです。

 

“筋膜”と書くから筋肉だけに関係するように勘違いしてしまうんですが、実際は身体のあらゆるパーツを覆って纏めている薄いストッキングみたいなもので、皮膚の下に広がって全身を覆っている筋膜は、全身タイツみたいな感じをイメージしてもらえれえばいいと思います。

全身タイツ

筋膜は全身を覆うタイツみたいなもの

このように、筋膜は身体の全パーツそれぞれを包み、その包んだパーツをその上からも包んで身体を形作っているので、第二の骨格とも言われています。

 

元々筋膜はfascia(ファッシャまたはフェイシア、ファシアなど)といって、まだ構造や分布がよくわかってない筋膜の研究が進んでいない頃に強引につけられた日本語訳なので、こんな誤解を招くような名前になってしまってます。

 

筋膜の繋がり

私たちの身体が筋肉で動いているのはご存知だと思いますが、全身の筋肉が何個あるか知ってますか?

 

個人差があるので確定できませんが、600個以上あるそうです。

 

そんな筋肉たちは、一つだけ筋肉を動かすということができません。
体中の筋肉の力をあわせて腕も脚も指さえも動かすようになってます。

 

たとえば何か重たい物を引っ張るなら、一人より大勢のほうがラクですよね。

一つの筋肉だけに仕事をさすより、筋肉を繋げて助け合えば、もっとおおきな力を出せるし疲れにくくなります。

筋肉と連鎖

筋肉は筋肉を引っ張る

筋肉をつなげているのはそう、筋膜ですね!

なのでこの筋肉の繋がりのことを筋膜連鎖といいます。

 

筋膜連鎖はいわば身体の中を流れる力の道筋、力の流れともいえるもので、「ライン」と呼ばれる複数のグループがあります。

 

ラインは大まかに身体の奥深くにある筋肉の繋がりと、浅くにある筋肉の繋がりに分けられます。

筋膜連鎖

左:浅いライン  右:深いライン

浅いラインは身体を大きく動かす筋肉(アウターマッスル)で繋がっていて、
深いラインは関節を安定させる筋肉(インナーマッスル)で繋がっています。

 

ちょっと注意しないといけないのは、一つの筋肉は一つのラインに属している、ということはなくて、
複数のラインを掛け持ちしてる筋肉もあります。

 

あと、このラインはあくまで影響を強く受ける筋肉の繋がりなだけで、ラインどうしも骨を介して筋膜で繋がっているので、
こっちのラインが頑張ってるのにあっちのラインは知らん振り、ということはできません。念のため。

 

 

筋膜の構造

さて、次は筋膜を顕微鏡レベルの小さいとこから見ていきましょう!

 

筋膜は柔軟性のあるエラスチン繊維と、硬いコラーゲン繊維が格子状に織り込まれている、網状の膜です。

筋膜の構造

筋膜の構造

菱形の網目が綺麗に並んだネットをイメージしたら分かりやすいですね。

筋膜=ネット

筋膜はネットと同じ

筋膜は薄いといってもミクロン単位で多重構造なので、折り重なった状態になってます。

筋膜を模したネット

ネットは多重構造

筋膜はヒアルロン酸などの栄養分を含んだ体液に浸されてヒタヒタのツルツルになっていて、
それぞれの筋膜が干渉しないよう自由に動けるようになっています。

 

筋膜の網目は身体の動きに沿って広がったり狭まったりまるでポンプのように形を変えて体液を循環させて、
常に新鮮な体液で滑らかに動けるようにしています。

 

まとめ

  • 筋膜は身体のパーツを覆い、全身も覆う
  • 筋膜は繋げた筋肉の力を合わせて効率よく身体を動かす
  • 筋膜はヒアルロン酸とコラーゲンでできた格子状のネットのようなもの

 

どうでしょうか?筋膜について大まかなところからお話しました。

 

筋膜についてはまだまだ書くことがありますが、ひとまずこのへんで置いときます。

 

以降、筋膜シリーズ続きます!

 

筋膜シリーズ:痛みやコリの発生源=筋膜の歪みとは?

 

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