大谷選手の肘の故障、原因は足首にある?

前から気になっている大谷選手の記事がでてたので、思うところをつらつら書いてみようと思います。

 

number誌 大谷翔平の記事

 

メジャーリーグでも二刀流で頑張る大谷選手。

 

たびたび故障のために戦列を離れることが多いですね。

 

2018年8月現在、今期も記事のように、肘の靭帯損傷のため故障者リストに入って戦列を離れています。

 

記事中の気になるところを抜き出します。

「力は入れました。力を入れた時の大体の球速、このくらいかなという感じのところが出ていましたし、まぁ、いい感じじゃないかなと思っています」

感じ取った手応えはそれだけではなかった。

「まっすぐの精度も良かった。案外、カーブとかも良かった。指先の感覚のズレはあんまりなかったと思います」

 

「PRP(注射を)やる前も、もう次の登板も投げるぐらいの気持ちだった」

また、米メディアには「そもそも痛みを感じたこともない」とも言った。

大谷にとっては想定外だったグレード2の右肘靭帯損傷の診断結果。

出典:Numberweb

 

そもそも故障者リスト入りをしたのは、右肘に違和感を感じたから、ということのようです。

 

肘を精密検査してみたら、グレード2のまぁまぁ重症だった。

それでPRP注射(自身の体内から摂取した血小板で壊れた組織の修復や再生を図る治療)を受けた。

 

本人としては、

肘に張りを感じたけど痛みはない

実際に投げてみても真っ直ぐ投げれるし指先の感覚のズレもあまりない

ローテーション1回飛ばしくらいの休養でオッケー

と思っていた。

ところが医療チームはそう判断せず、故障者リストに入れられてしまった・・・という感じでしょうか。

 

記事の最後のほうはこう書かれています。

大谷本人と医療スタッフのギャップ。

「選手に自覚のないケガが一番厄介。大谷に故障の自覚がなく、もし球団の診断が正しかったのだったとしなら、大谷にとっては問題だったと思います」

真相はどこにあるのだろうか……。

 

実際に医療検査したら肘靭帯に損傷があった。

大谷選手自身も「肘の張り感」という自覚症状がある。

 

肘に負担がかかって損傷していることは明白なんですね。

損傷が少しずつ蓄積していってるんでしょう。

 

こういう時って、ちょっと休養すれば張り感はなくなるので問題なしと思ってしまいがちなんですよね。

傷は自己修復しますから。

 

一番の問題は、本人が指先の感覚のズレも感じず、いい感じでいけてると思ってることでしょう。

リリースの瞬間だけに身体の操作を合わしている。

 

なんていうんでしょうか、ゴール地点だけ合ってるけど、道順がちょっとだけ外れてるというような。

ちょっとだけ外れた道順と、元の道順には距離とか時間の差とかあるのに、そを埋めるのに肘に余分な負担を掛けていると思われます。

 

いろいろ調べてみると、大谷選手はもともと高校生のときに右足首を痛めて以来、ずっと捻挫癖があるようです。

高校(花巻東)時代から軽い捻挫で足首を痛めることが何度かあった」と明かしていた

大谷選手は『底屈(つま先立ちするときのように、足首から先をすねからまっすぐにする動き)のときに痛みが出る』と話しています

出典:夕刊フジweb版 2017.2.3「大谷、深刻な古傷「右足首」真相 花巻東時代から捻挫癖、WBC辞退どころか将来も危うい

 

捻挫クセは柔道整復的にいえば、足首関節の亜脱臼、つまりズレです。

足首のズレは、関節の可動域を制限したり、片脚立ちをしたときバランス性を悪くします。

捻挫癖についてはこちら:なぜ足首の捻挫はクセになるのか

 

大谷選手の場合は

右脚一本で立ったときにバランスがとりにくくなっているのでタメが作りにくい

足首が底屈(爪先を伸ばす)しにくくなっているので、右足で地面を蹴って身体を前に押し出す力が弱い

となっていると思われます。

 

 

で、いろいろyotubeを探してみつけました。

https://youtu.be/OxeDwi_mXwc

 

12:16から、大谷選手の投球フォームを分析しています。

ここで指摘されてる問題点は以下。

  • 前に体重が乗り切ってない=後ろに重心が残っている
  • お尻の筋肉(中臀筋)が使えていないので、片脚を上げてから地面に衝くまでの股関節の横の動きが弱い

要するに、お尻の筋肉を上手く使えていないので、下半身を前に送りきれず、上半身が突っ込んだ状態になっているということです。

 

ちなみに、足関節の可動性は中臀筋の活動に影響します。

参考:横足根関節回内可動性が片脚立位時の骨盤運動と中臀筋筋活動に及ぼす影響について

 

ここでよくあるのがお尻の筋肉を鍛えるという安易な方法なんですが、足首由来でそうなっているのであればいくら筋力つけても無駄でしょう。

筋力の問題でなく、筋のコントロールの問題だからです。

 

加えて大谷選手、足首の単純なズレだけじゃなく、三角骨障害ももっていたんですね。

三角骨障害は、踵の骨が一部剥離して関節の中で遊離し、足首を伸ばすと三角骨が挟まって痛みを出したり関節可動域を狭くしたりする障害です。

 

大谷選手は2017年に手術で三角骨を除去しているようですが、その後もやはり捻挫を繰り返しているのでやはり万全ではないようです。

 

今は指先の感覚のズレは感じない、と言ってる大谷選手。

でも、指先の感覚だけ無理クリ好調時に合わしているのなら、連投したらまた再発するんじゃないかなと思います。