痛みやコリの発生源=筋膜の歪みとは?
ここでは、前に書いた筋膜のことについて続きを書いて行きます。
”筋膜”という言葉が世間一般に広まって、今では身体の不調は何でも筋膜のせいにされた感がありますね。
「肩こりは筋膜のシワだ!」とか「腰痛は筋膜の歪みが原因!」とか。
なんかダイエットにも筋膜がどうこう言ってるのを聞いたことがあるような(笑)
確かに筋膜がおかしくなると、肩こりや腰痛の発生源になります。
ここでは筋膜のシワや歪みがどういうものか、具体例をあげて解説します。
ついでになぜそうなってしまうのかも書いていきましょう!
筋膜は歪む?捩れる?シワになる?
筋膜は顕微鏡レベルで格子状に編みあがった薄い膜なので、わかりやすいようにネットを使って解説していきましょう。
さて、正常な筋膜は身体の動きにあわせて伸びたり縮んだりします。
両端から引っ張ってみると・・・
ネットは列の流れを変えて、加えられた力を均一化します。
一つ一つの網目を見てみると、隣の網目と少しだけ形を変えてはいますが菱形をキープしてますね。
次に、「筋膜の一部が固まった状態」を再現するためにセロテープを貼り、同じように伸ばしてみます。
固まってるところは伸びずに、周りの網目は菱形が崩れて列も歪になっていますね。
膜の均一性がなくなっている状態です。
これが「筋膜の歪み」で、硬くなった網目のところが「コリ」というわけです。
均一性がなくなった筋膜は、身体を動かすごとに部分的に変な方向に引っ張られるので、余計に変になっていきます。
下着やシャツをちゃんと真っ直ぐズボンに入れないで歩いていると、ズボンがだんだん捻れてくるのと同じです。
筋膜を歪める原因
歪みは筋膜の一部の固まりがつくりだす、といいましたね。
では、何が固めるんだろう?て思いませんか?
はい、犯人は、筋膜をヒタヒタに浸している体液の中に含まれる、ヒアルロン酸とコラーゲンです。
先にこの二つの犯人のことを知っておきましょう。
ヒアルロン酸とコラーゲンの話
ヒアルロン酸は筋膜に栄養と滑らかさを与え、コラーゲンは網目構造を支えて筋膜を力強く形作って保護しています。
この二つが健康できっちり仕事をこなしてくれてれば筋膜はいつもツルツルでしっかり者の頼れるヤツなんですが、
元気がなくなると筋膜の滑りが悪くなり、形も崩れ、終いには硬くなって伸び縮みできなくなります。
ヒアルロン酸は水糊と同じ
ヒアルロン酸はムコ多糖類という、砂糖と同じような成分でできているネバネバの液体です。
それを水と混ぜて程良い加減に薄めて、体中の筋膜に栄養を届けています。
滑りをよくする働きもあるので、筋膜同士をお互い干渉しあわないようにしたり、関節の動きを滑らかにしたりしています。
ところが何らかの理由で水分が抜けてヒアルロン酸の濃度が濃くなると、ネバネバが増して筋膜の動きがぎこちなくなったり、関節の動きが悪くなったりします。
終いにはネバネバを通り越してカチコチに固まってしまうのです。
ヒアルロン酸は身近なもので例えると、水糊がそうです。
これにも同じくグルコースという糖が入ってるので、同じような性質を持ってます。
水糊を指で塗り続けると、だんだん水分が抜けてネバネバがドロドロになって最後はカラカラに固まります。
塊もできてしまいますね。
小学生のころ、蓋をちゃんと閉めずに置いていたらカチカチに固まって開けられなくなったのを思い出します。
あれと同じ現象がヒアルロン酸におきたとき、筋膜の滑りが悪くなって、最後は塊みたいなシコリができあがるというわけです。
コラーゲンは補修剤
刃物で指を切ると血が出て固まって、やがて傷はくっついて治ります。
このとき傷口をくっ付けて元通り治す材料になるのがコラーゲンです。
筋膜が傷ついたときもコラーゲンが染み出て筋膜を治します。
治しきるとコラーゲンは染み出てこなくなって、余分なものは体液循環で流れていきますが、
治しきるまえにまた傷がつくと、流されないようにどんどんコラーゲンを出してもっと強力にくっつけようとします。
補修剤で埋めようと思ったヒビがちゃんと埋まらなかったら、もっと補修剤を出して山盛り塗るようなものです。
盛りすぎた補修剤は固まりになって網目に詰まっていき、筋膜を硬くする材料になってしまうんですね。
まとめ
- 筋膜の水分がなくなると、ヒアルロン酸はだんだんネバネバしてきて終いに硬く固まる。
- 筋膜に傷がつくと、コラーゲンが染み出して傷を治すが、出過ぎると余分が固まりになる。
ということで、筋膜を歪める原因は、「水分不足」と「傷」ということをおわかりいただけたでしょうか?
筋膜のことはまだまだ書き足りませんが、それはまた次の機会に。
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