グロインペイン症候群(股関節痛・鼠径部痛症候群)とは?原因と予防・対策

このようなことを知りたい方に向けた記事です
  • グロインペイン症候群の概要について知りたい
  • グロインペイン症候群のストレッチを知りたい
  • グロインペイン症候群のテーピングを知りたい
  • グロインペイン症候群の体幹トレーニングを知りたい

 

走ると股関節が痛いんです

鼠径部が痛くてボールが蹴れません

歩いてても脚の付根が痛くて・・・・

 

当院で最も多く扱うスポーツ障害が、グロインペイン症候群と呼ばれる股関節周りの痛みです。

特にサッカーや陸上競技の選手に多いですね。

 

グロインペイン症候群は、重症化すると治療を受けても治りにくく、スポーツの休止を余儀なくされる厄介なスポーツ障害です。

 

今回は、このグロインペイン症候群(股関節痛・鼠頚部痛)について、整形外科学の観点から、なるべく専門用語なしで分かりやすく解説していきましょう!

 

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グロインペイン症候群(股関節痛・鼠径部痛)とは

特にサッカー選手に多く見られ、運動に伴い股関節周辺の鼠径部・下腹部・股間・太腿内側・臀部に痛みがある症状全般をグロインペイン症候群と呼びます。

 

グロインペイン症候群になった有名選手

  • 中田英寿
  • 中村俊輔
  • 長谷部誠
  • ジダン、ロナウジーニョ など

 

当院でもグロインペイン症候群で来院する方の多くがサッカー選手です。

最近ではマラソンや短距離走の陸上競技選手も増えました。

 

スポーツシーンでは、主にボールを蹴る・走るときに痛みが出ます。

日常生活では、靴下を履くときの膝を抱え上げがやりにくかったり痛みを感じたり、クシャミや咳で下腹部が痛んだりします。

 

 

グロインペイン症候群を細かく分類すると、

  • 恥骨結合炎
  • 内転筋腱周囲炎
  • 腸腰筋機能障害
  • 鼠径管後壁欠損
  • 外腹斜筋腱膜損傷
  • スポーツヘルニア(鼠径ヘルニア)

というように、痛みの出ている部分に関係する筋肉や靭帯の名前がくっついた傷病名が診断されることもあります。

 

当院に来られる方の部位ごとの発痛場所の多い順番は、内転筋>鼠径部>下腹部>股間(恥骨結合部)で、一箇所だけ痛むというケースもあれば複数個所に痛みがあるというケースもあります。

 

グロインペイン症候群(股関節痛・鼠径部痛)の原因

原因としてよく言われるのがオーバーユース(over uses)です。

要するに使いすぎ、練習のし過ぎのことですね、て解釈されがちですが実はちょっとそれはざっくり言いすぎなところがあるので詳しく説明していきましょう。

 

「使いすぎ」が原因?そのメカニズム

使いすぎたら痛くなるメカニズムを簡単に説明しましょう。

 

⇒同じ動作の繰り返しで特定の筋肉の特定の場所に疲労が溜まる

 

⇒疲労が溜まると筋肉が硬くなる

 

⇒硬くなった筋肉は反応が悪くなる

 

⇒反応が悪いので他の筋肉との協調が乱れて損傷する

 

損傷が少ずつ溜まっていき、許容量を超えたときにドンと一気に痛みが出ます。

痛みになる前に、筋肉のハリ感や、疲労が抜けにくい感じがした、と言う選手も多いです。

 

そもそも「使いすぎ」とは何ぞや?

「使いすぎが原因です」と言われたら、

 

じゃあ練習量減らせってこと?

 

ってなりますよね。実際に

 

練習休んで暫く安静にして様子みてください。

 

というのが治療の定番です。

 

でも、休んで治ったと思って練習を再開したらすぐ痛みが戻る、なんてのがザラにあるのがグロインペイン症候群の厄介なところです。

 

なぜ治らないのか?再発するのか?

 

それは、特定の筋肉に負担が集中してしまう身体の使い方になってしまっているからです。

 

本当なら10の力でやっていることを、12や15の力でやらなければならないからだんだん許容量を超えてしまうんですね。

 

使いすぎでグロインペイン症候群になる原因として考えられているのは、

  1. 片脚立ち時のバランスの低下
  2. キックフォームの乱れ
  3. 上体の筋力を下肢にうまく伝えられていない協調性機能低下

です。

 

一言で「使いすぎが原因」といっても、過剰な負担がかかってしまう原因を解決しないと治らないということなんですね!

 

グロインペイン症候群(股関節痛・鼠径部痛)の対策と予防

グロインペイン症候群になったら、早めに専門家にかかったほうが良いのは言うまでもありません。

 

でもなかなか治療に掛かる時間が取れないのは多くの選手が持つお悩みですね。

 

そんなときのために、とりあえずは自分でできる対処法をお伝えしましょう!

 

グロインペイン症候群のテーピング

テーピングの目的は痛みの緩和です。

 

効果的なテーピングをできるように、まず筋肉について知っておきましょう。

 

グロインペイン症候群で傷める主な筋肉は”腸腰筋“と”内転筋“です。

 

 

腸腰筋は腰から腹部奥を通って太腿の骨の上端(大腿骨基部)に付着してます。

 

股関節を屈曲(走る・歩く・蹴る・膝を抱え上げるetc)する働きがあります。

 

内転筋は骨盤下部(恥骨結合)から大腿骨内側に付着してます。

 

股関節を内転(股を閉じる)する働きがあります。

 

この二つの筋肉に沿って、伸縮性のあるテープを貼ります。

 

 

間違ってはいけないのは、テーピングをしたからといって治るものではありません。

 

あくまで状の緩和(痛みの軽減)と、悪化予防に過ぎなことにご注意くださいね。

 

グロインペイン症候群のストレッチ

ここで解説するストレッチの目的は、痛みの軽減と予防です。

 

ストレッチをかける筋肉は、テーピングを貼る筋肉と同じで腸腰筋と内転筋です。

 

動画を参考に無理のない程度で行ってください。

 

痛いのを我慢して一生懸命伸ばすと余計硬くなるので、気持ちいいテンションでやってください

 

 

ストレッチも悪化防止、再発予防でするものと思ってください。

 

症状の酷い人がセルフで行うと悪化する危険もあります。

⇒参考:股関節痛(グロインペイン症候群)の原因は内腿と足首にあった! / 神戸のサッカー強豪校選手I君の完治例

 

ストレッチをやって少しでも症状が強くなったとか、効果があるんだろうかと疑問に感じたなら中止しましょう。

 

それはあなたの症状に合ってないか、やり方が間違っているかのどちらかです。

 

グロインペイン症候群(股関節痛・鼠径部痛)の治療

治療は大きく分けて二つの目的で行います。

  • 原因の改善
    アスレチックリハビリテーション(体幹トレーニング、バランストレーニング、協調性機能訓練)を理学療法士もしくはスポーツトレーナーの指導のもと行います。
  • 痛みの軽減
    痛みの発生源である硬くなった筋肉の柔軟性を回復させます。医療機器による物理療法や、マッサージ、鍼灸、整体など手技による施術も有効です。

 

 グロインペイン症候群のアスレチックリハビリテーション

筋肉を使いすぎてしまう3つの原因

  1. 片脚立ち時のバランス性の低下
  2. キックフォームの乱れ
  3. 上体の筋力を下肢にうまく伝えられていない協調性低下

これらの改善を目的に、運動リハビリトレーニングを行います。

「体幹トレーニング」「バランストレーニング」「フォーム修正」などなど、様々な呼ばれ方をしています。

 

パフォーマンスアップのために普段のトレーニングでやっているチームも多いですね。

 

このリハビリの目的は、全身の筋肉のコントロールを上げることです。

負担がかかりすぎてる筋肉を、近くの筋肉の力で助けてあげて負担を減らしてやろう!てことです。

 

わかりやすいように「筋膜連鎖」と呼ばれる全身の筋肉同士の繋がりを交えて解説していきます。

 

体幹トレーニング

下の図は身体前面のもっとも深い筋肉同士の繋がり、「ディープフロントライン(以下DFL)」と呼ばれる筋膜連鎖です。

 

 

腸腰筋と内転筋が連鎖しているのがよくわかりますね。

 

DFLは身体の中心で四肢と胴体の動きを制御する働きを持ちます。

 

体幹トレの基本、フロントブリッジで鍛えることが出来ます。

 

 

DFLを意識し鍛えることで、四肢を動かしたときの胴体(体幹)の安定性を高めることができますよ!

 

バランストレーニング

次は側面の筋膜連鎖「ラテラルライン(以下LL)」です。

 

LLに含まれる腹部側面筋、臀部筋、大腿外側筋は、片脚立ちになったときに骨盤を安定させバランスを保つ重要な筋膜連鎖です。

 

トレーニングは以下↓

 

LLを意識し鍛えることで、片脚立ちになったときのグラつきをなくし安定性を高めることができます。

 

走る・歩くは片脚立ちの連続ですから、LLラインは重要です

 

特にキック動作は片脚を踏ん張りますから、サッカー選手には超重要ですね!

 

協調性機能訓練

最後は身体の前面と後面にある、左右の四肢をX字につなぐ「ファンクショナルライン(以下FL)」と、身体全体の回旋運動をつなぐ「スパイラルライン(以下SPL)」です。

 

 

この二つの筋膜連鎖は主に身体を捻る動作に関係します。

 

歩行や走行時は、腕と脚は左右互い違いに振ると同時に体幹はそれに合わせて捻れるように動きます。

 

なので、身体を捻ってパワーを出すこの機能を最大限に使うスポーツに非常に重要な筋膜連鎖です。

 

キック動作はその最たるもの。

 

脚・体幹だけでなく、腕を含めた一連の連携で強力なシュートを打てるんですね。

 

トレーニングは以下↓

 

 

リハビリテーションまとめ

体幹・バランス・協調性機能トレーニングは、スポーツ整形外科や整骨院の中で行っているところも増えました。

 

動きが小さく、しんどいものでもなく小スペースでできるので、自宅で継続しましょう。

 

ただし、注意しなければならないのは、これらトレーニングで負荷がかかるのは傷めている筋肉であるということ。

 

やってると悪化することもありますから、症状が強い場合は自己流で行わず、まず専門家に相談しましょう。

 

それと、リハビリテーションをやったからといってすぐに治るわけではありません。

 

コツコツと積み重ねていくのが大事ですよ!

 

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早く治るかどうかは施術師の腕しだい

と、グロインペイン症候群を整形外科学的な見地からいろいろ書きましたが、グロインペインは整形外科でリハビリ受けても整骨院や整体で施術を受けてもなかなか治らないのが現実です。

グロインペイン症候群といえば股関節に問題があるように思いがちですが、股関節じたいに問題のあることはごく稀です。
鼠径部など脚の付け根が痛いのは、殆どが太腿の筋肉の異常によるものです。

ぶっちゃけいえば硬くなった筋繊維が痛みの発生源なので、軟らかくもどしてやれば痛みは緩和します。マッサージやストレッチ、電気治療をするのはそのためです。

ですけど、治療や施術にかかってもなかなか治らず、長い間練習できなくてどうにかならないかと悩んでいる選手はたくさんいます。

●硬い筋繊維が肉の奥にあるのでヤワな施術では効果がない

●筋繊維を硬くした要因を取り除かないと痛みの緩和は一時的なものになる

この二つが治療や施術で良くならない理由です。

しかし、当院のグロインペイン症候群専門施術は平均3回で完治しますし、一回施術を受けたら殆どの場合、その場で痛みは大幅に軽減します。

いいことばっかり書いてますが、その代わりと言ってはなんですが殆どの場合、施術には痛みが伴います。

それに全部が全部、全員治せたのかと言うとそうではありません。
全く改善できない、痛みがマシにもならないという方も何十人かに一人の割合でありました。

そのような方は一回施術をしても全く痛みが軽減しない、マシにもならない。もしくは施術後は軽減したものの、2,3日で元の痛みに戻る、というパターンでした。

なので、当院のグロインペイン施術は一回施術を受けたら当院で治るかどうか判断できます。

というか、私が治せる見込みがないと判断したら、正直に「私では治せません」とお伝えするようにしています。

治せる確信がないのに通院を勧めるのは不誠実ですし、スポーツ選手にとって貴重な時間を浪費させてしまうと考えるからです。

 

もし、あなたがグロインペイン症候群のせいで練習できない、試合に出られない、治療受けているけど良くならないと困っているなら、いちど当院の施術を受けに来てにてください。

治るか治らないかはその場ですぐわかります。

一刻も早くグロインペインを克服して、全力プレーできる身体を一緒に取り戻しましょう!

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